介護、福祉を考えるブログ

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介護士の給料が安い理由は?これから上がるのか?

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社会的なイメージとして介護職の給料が安いというイメージがついてしまってます。


以前、堀江貴文氏が給与が上がらない理由についてのツイートがネットで賛否を巻き起こしました。

「誰もやりたがらない事をひたむきに安い給料で頑張るからいつまでも給料が上がらない」

 

twitterの文字数上、少ない表現では受け取る人によって解釈が変わってしまうのですが、
私はこの意見には賛成です。

しかし、永久に報酬が上がらないのかと考えると、

私は否だと思います。

介護士の給料の仕組み


まず、介護保険の制度、構造的に上限が決まっており、
無限に利益を出せる業種ではありません。

収入の殆どが介護報酬によるものですので、限界があります。

 

最近話題となっている超高額の抗がん剤「オプジーボ」のように1回73万円のような

劇的に改善する介護サービスの提供で1回数十万の介護があればいいのですが、

 

1人あたりに利用限度額が定められており、

その中で利用者はやりくりをしないといけないので、

介護報酬の上限が決まっています。

 

現在でも、ギリギリの利用にも関わらず、

職員の給料に反映されないという事は、

様々な問題があるのだと考えます。

  

介護士の給料の平均は?


平成27年度介護従事者処遇状況等調査結果の概況より

介護職員処遇改善加算(Ⅰ)の届出をした事業所における介護職員
第10表 職種別にみた介護従事者等の平均給与額(月給の者)(加算(Ⅰ)) より

平均は

介護職員は287,420円(27年度は274,250円)


となっております。

多く見えるような気もしますが、平均の数字には手当、賞与も含まれているため、

実際の月収はもっと低く、税も引かれると手取りは更に低い数字でしょう。


また、基本給においては、

介護職員は177,370円となり、かなり低い基本給となっております。


この給料の低さもあって、離職は後を絶ちません。

 

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【参考:厚生労働省

介護職員処遇改善加算は現在合計すると要件を満たす施設には、

27000円の加算が支給されておりますが、

実際、改善金の名目で27000円出ていますか?

支給額については経営者の裁量によるのが、おかしな制度ですね。

 

かといって、安易に経営者を責める事はできません。

施設の運営にももちろんお金が掛かります。

そちらに少し廻している経営者もいるでしょう。

 

どうすれば給料が上がるのか?

現時点では、同じ仕事内容では、給料を上げる事が難しい状況となっております。
休日にアルバイトなどの副業、または独立して経営者になるなどが考えられます。

 

一人に対する介護保険の限度額が決まっているため、

サービスを多くしても、収入は増えません。

 

経営者が多めにもらっているかといえば、

そうでないと思います。

 

事業収入が上がるのなら、従業員には少なからず還元されます。

現状、低い給料ということは、それだけ、経営も利益が出ているとは考えにくいのです。

 

また、人員の配置も決められております。

前提条件:入居者60名(すべて要介護)/常勤スタッフ18名・非常勤スタッフ4名(週20時間勤務)

まず、常勤スタッフは18名なので、常勤換算はそのまま18です。
非常勤スタッフ4名の計算は次のようになります。
施設の常勤職員が一日の勤務時間を8時間として、週5日働くとすると週40時間。これが常勤換算1の基準となります。
非常勤の方は、週20時間働くということなので、週20時間÷週40時間=0.5です。したがって、非常勤の方の常勤換算は0.5となります。
この例では非常勤スタッフが4名いるので0.5×4名で常勤換算は2となります。
よって、常勤換算の結果は常勤スタッフと非常勤スタッフを合わせた20となります。

要介護者が60名に対して常勤換算20となり3:1となることから、この事例は介護保険法の最低基準を満たしています。

 参考有料老人ホーム入門④(人員体制・職員配置)

 

この人数で優良老人ホームの場合はギリギリです。

仮に、事業収入を計算してみましょう。

 

月額利用料が17万

介護保険が21万

その他の費用が1万

 

を1人あたりにして、計39万

これが60人ですと2340万円になります。

 

人員ですが、上記の介護職員22人の他、

利用者が60人ですと、看護師が3人必要です。

また非常勤の医師の配置

専従の生活相談員1人

栄養士1人

機能訓練指導員1人

介護支援専門員1人

 

最低でも上記の人数が必要ですが、

他にも事務の方や経営者などがいますよね。

 

また、利用者の食事代や施設の光熱費、維持費などのお金も必要になります。

この中から、どれだけ人件費に割けるのか、

想像すると高給を望むのが難しくなります。

 

では、どうすれば給料が上がるのでしょうか?

それは今後の社会の課題となります。

介護報酬を引き上げるのも一つの要因ですが、

そのためには、介護保険料も引き上げなくてはいけません。

国の予算も増やさなければいけません。

 

 

まとめ

私論ですが、

給料が安いから離職する。十分な理由です。

介護職の労働者はボランティアではありません。

納得のいく給料でなければ、どんどん辞めたらいいと私は考えます。

ストライキも一つの手段です。

 

そうなると、経営者は困ります。

人手がないと運営ができませんから。

給料を上げて求人をだすと思います。

 

今度は施設の経営が危うくなってきます。

その時はどんどん潰れてもいいと思います。

 

民間に運営を開放した介護業界ですが、

現行の介護保険の制度では人件費を上げると経営が成り立たないという事を

倒産することにより、国に危機感を持たせてください。

 

そうすれば、おのずと必要なものには補助金が投入され、

給料は上がっていくのかなと考えます。