介護福祉士国家試験の受験資格、実務試験、免除について
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介護福祉士国家試験の受験資格、実務試験、免除について
介護福祉士は、2016年8月の時点で、登録者数が約150万人弱となってます。
2017年には、150万人を突破する見込みですね。
しかし、実際に介護職に就いている方は6割程度で、
介護の人材はまだまだ必要になってきます。
今回は、介護福祉士になるために必要な受験資格、実務試験、免除の方法を調べていきたいと思います。
介護福祉士国家試験の受験資格
実務経験ルート
既に介護職の方が対象ですね。
実務経験が従業期間3年以上かつ従事日数が540日以上となっております。
だいたい月に15日従業してぎりぎり3年で540日ですね。
実務経験の範囲は
[介護福祉士国家試験]受験資格:実務経験の範囲:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
に詳しく記載がされています。
また、平成28年度(第29回)試験から、
実務者研修の修了が必須になりました。
実技試験が免除される期間については、
実務者研修終了後は何年経っても制限はありませんので、早めの研修をおすすめします。
福祉高校ルート
【新カリキュラムの平成21年度以降の入学者】
卒業(見込み含む)した方は受験資格が得られます。
この場合も、実技試験は免除されます。
【特例高校等】
学校教育法による高等学校又は中等教育学校であって
文部科学大臣及び厚生労働大臣の指定したもの(特例高等学校等)に入学し、
社会福祉士介護福祉士学校指定規則附則第2条2項に定める教科目・単位数を修めて卒業した後、9ヶ月以上の介護等の実務経験を有する方。
が受験資格になります。
この場合、介護技術講習を終了しないと、実技試験が免除されません。
平成20年度以前の旧カリキュラムの方は、実務経験は必要ありませんが、
実技試験は介護技術講習を終了する必要があります。
注意したいのが、福祉高校ルートの場合は、実務者研修を受講し終了しても免除にならないということです。
免除の為、介護技術講習を終了しましょう。
また、介護技術講習の終了後、引き続き行われる3回までの介護福祉士国家試験の実技試験の免除となりますので、
注意が必要です。
EPA(経済連携協定)ルート
こちらの方は、実務経験3年以上かつ、介護技術講習または実務者研修の終了で実技試験が免除となります。
養成施設ルート
介護福祉士養成施設の方は、平成29年~33年度卒業後、筆記試験に合格か、実務経験継続5年で介護福祉士の資格が取得できます。
実技試験は免除になります。
実務者研修について
すでに取得している資格により、受講時間がことなります。
殆ど通信教育ですので、スクーリングの日程は皆同じぐらいで、
提出するレポートの数、終了までの期間が異なるようです。
受講時間
すでに取得している資格 | 受講時間 | 免除時間 |
---|---|---|
なし | 450時間 | 0時間 |
旧ホームヘルパー3級 | 420時間 | -30時間 |
旧ホームヘルパー2級 | 320時間 | -130時間 |
介護職員初任者研修 | 320時間 | -130時間 |
旧ホームヘルパー1級 | 95時間 | -355時間 |
旧介護職員基礎研修 | 50時間 | -400時間 |
授業内容と免除科目(●が免除科目)
授業内容 | 時間数 | 介護職員初任者研修 | 旧ホームヘルパー | 旧介護職員基礎研修 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
1級 | 2級 | 3級 | ||||
人間の尊厳と自立 | 5時間 | ● | ● | ● | ● | ● |
社会の理解 I | 5時間 | ● | ● | ● | ● | ● |
社会の理解 II | 30時間 | - | ● | - | - | ● |
介護の基本 I | 10時間 | ● | ● | ● | - | ● |
介護の基本 II | 20時間 | - | ● | ● | - | ● |
コミュニケーション技術 | 20時間 | - | ● | - | - | ● |
生活支援技術 I | 20時間 | ● | ● | ● | ● | ● |
生活支援技術 II | 30時間 | ● | ● | ● | - | ● |
介護過程 I | 20時間 | ● | ● | ● | - | ● |
介護過程 II | 25時間 | - | ● | - | - | ● |
介護過程 III | 45時間 | - | - | - | - | ● |
発達と老化の理解 I | 10時間 | - | ● | - | - | ● |
発達と老化の理解 II | 20時間 | - | ● | - | - | ● |
認知症の理解 I | 10時間 | ● | ● | - | - | ● |
認知症の理解 II | 20時間 | - | ● | - | - | ● |
障害の理解 I | 10時間 | ● | ● | - | - | ● |
障害の理解 II | 20時間 | - | ● | - | - | ● |
こころとからだのしくみ I | 20時間 | ● | ● | ● | - | ● |
こころとからだのしくみ II | 60時間 | - | ● | - | - | ● |
医療的ケア | 50時間 | - | - | - | - | - |
実務者研修受講時間数(合計) | 450時間 | 320時間 | 95時間 | 320時間 | 420時間 | 50時間 |
実際に私も実務者研修に通っていますが、
レポートを全て出せば、他の資格保持者と同じ日程でスクーリングは終了しますが、
その後3か月待つと、修了証が送られてくるという流れになっています。
実務者研修の費用について
保持している資格にもよりますが、
2万~22万円程と、学校により、幅広くなっています。
無資格の場合は10万~22万とかなり差がありますので、
学校は慎重に選んで下さい。
私の場合は無資格で12万でした。
介護技術講習について
介護技術講習は、厚生労働大臣が指定した介護福祉士指定養成施設等の設置者があらかじめ厚生労働大臣に届け出て実施します。
この介護技術講習を修了した者について、その申請により、介護福祉士試験の実技試験が免除されます。
詳細については、公益社団法人日本介護福祉士養成施設協会のホームページをご覧ください。
介護技術講習の内容及び時間数
項目 | 内容 | 時間数 |
---|---|---|
(1)介護過程の展開 | (1)介護における目標等の講義(2)事例に基づく介護過程に関する講義及び演習 | 6 |
(2)コミュニケーション技術 | コミュニケーションの技法に関する講義及び演習 | 2.5 |
(3)移動の介助等 | (1)社会生活維持拡大への技法に関する講義及び演習(2)安楽と安寧の技法に関する講義及び演習 | 6 |
(4)排泄の介助 | 排泄の介助に関する講義及び演習 | 4 |
(5)衣服の着脱の介助 | 衣服の着脱の介助に関する講義及び演習 | 3 |
(6)食事の介助 | 食事の介助に関する講義及び演習 | 3 |
(7)入浴の介助等 | (1)入浴の介助に関する講義及び演習(2)身体の清潔の介助に関する講義及び演習 | 4 |
(8)総合評価 | (1)から(7)までの講習内容の修得に係る評価 | 3.5 |
合計 | 32 |
受講費用
学校により差がありますが、5万~7万5千円ぐらいの幅があります。
実務者研修と違い、現在は開講している学校が少なくなっております。
実務者研修のメリット、デメリット
介護福祉士実技試験免除の為の実務者研修のメリットとデメリットをそれぞれ考えます。
メリット
実技試験に対する対策が不要
これまでは、実技試験に不合格となると、
筆記試験からやり直さないといけませんでしたが、
実務者研修の場合、講習先で修了のテストはありますが、
何回でも挑戦できる場合が多いので、安心です。
介護職に目標を持った様々な仲間と出会える
同じ目標を持った仲間と出会うことは、モチベーションも上がりますし、
様々な情報交換を通じ、自分の知らない介護現場の状況を知る事ができます。
介護の仕事に生かせる技術を改めて勉強することができます
現場では効率を重視するあまり、必要な声掛け等が省略されてる場合もありますが、
先生、生徒同士で「うちではこうだった」等の様々な意見交換を通し、改めて再確認することが出来ます。
サービス提供責任者になる事ができる。
訪問介護事業所に必ず配置されなければならない「サービス提供責任者」になれます。
担当者会議に出席も可能になり、給料面でも、手当がつく場合もあります。
喀痰吸引や経管栄養の知識が学べる
喀痰吸引の実技の講習はあるのですが、実務者研修修了で、
喀痰吸引や経管栄養ができるわけではありません、
別途、喀痰吸引等研修のうち、実地研修が必要です。
(基本研修は免除されます)
デメリット
受講に時間と費用が掛かってしまいます。
未経験ルートですと今後は必須になっていますので、
今までの実技試験を受けるよりも余分に負担が増えてしまいました。
まとめ
法改正により、受験資格がややこしくなってきています。
しかしながら、介護福祉士はこれからの介護では必須の資格になると思いますので、
受験資格のある方は、早めに取ってしまいましょう。